
book:物理学が通用しない星
提供:Imaginarypedia
これは物語です。(著者:YukiBon) |
僕の出身星「ダルテ」の科学者が長距離のワープを可能にして以来、毎年のように調査員が別の恒星系に調査しに行くようになった。
僕もその調査員だ、僕の仕事は惑星Eylhaの調査。 今や、遠い目的地は目の前にあるも同然だ。一か月もすれば帰れるだろう。その時の僕は、そう信じて疑わなかった。
ガリッ、プスン。嫌な音を立てて機体が止まった。 ……エンジンの故障か? 僕はモニタのターミナルを眺めたが特に異常はない。どういうことだろう、何かあったのだろうか。
遠くから、技師の怒鳴り声が聞こえる。
エンジンがイカれてやがる、このままじゃ落ちるぞ!
直後、照明が落ちる。振り返ると、何も表示されない真っ黒なモニターにうっすらと僕の影が映っている。
全システムが停止し、Eylhaの重力圏に入っていた機体は真っ逆さまに落ちていく。 調査隊員達は慌てて脱出ポッドに乗り込んだ。
……。
…………。
………………。
助かった……のだろうか。 一同がポッドから降りるとそこには、まるでのゲームかアニメのような世界が広がっていた。見たこともない生きものがたくさんいる。
人々は奇妙な石を使って電気や火をおこしたり、手を触れずに物を動かしたりしている。ここでは僕の知る物理学が通用しなかった。